西三数学サークル通信118号ー2
「倍数の見分け方」・・・・・・・・・・・・・・・・黒田
前回の通信(223号)の「大きな桁数の数が割り切れるかどうかの判定法」(広田)を読まれた
黒田先生から、次のような「倍数の見分け方」の面白い方法を紹介していただきました。
『A Mathematical Mosaic』(Ravi Vakil著)という本に次のようなことが書いてありました。
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「ある数が7で割り切れる」⇔「(その数の最後の1桁をとり去ったもの)+(最後の1桁?5)が7で
割り切れる」
例 12345は7で割り切れる⇔1234+5?5 が7で割りきれる
⇔1234+25 が7で割りきれる
⇔1259 が7で割りきれる
⇔125+9?5 が7で割りきれる
⇔125+45 が7で割りきれる
⇔170 が7で割りきれる
⇔17+5?0=17 が7で割りきれる
ところが17は7で割り切れないので,12345は7で割り切れない。
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この事実は「50−1 が7の倍数になる」ことを使っています。
同様に 40−1が13の倍数になることを利用すれば,次のことも言えます。
「ある数が13で割り切れる」⇔「(その数の最後の1桁をとり去ったもの)+(最後の1桁?4)が
13で割り切れる」
いくつかの素数についても同様なことがいえます。
「ある数がpで割り切れる」⇔「(その数の最後の1桁をとり去ったもの)+(最後の1桁?q)がp
で割り切れる」という命題の pとqを表にしてみます。(qがマイナスになることもあります。この
時はひきざんです。)
p | q | p | q | p | q | p | q | p | q | p | q |
7 | 5 | 13 | 4 | 19 | 2 | 31 | 3 | 61 | -6 | 9 | 8 |
7 | 2 | 13 | -9 | 23 | 7 | 41 | -4 | 67 | -20 | 89 | 9 |
11 | -1 | 17 | -5 | 29 | 3 | 59 | 6 | 71 | -7 |
他の素数では qの値が2桁以上になるので あまり実用的とはいえません。
高校生の「証明問題」としても適当だと思います。
※(p,q)=(7,-2),(11,-1),(13,-9),(67,-20)は竹中が追加しました。
(証明)
123456→12345=A , 6=b
のように
与えられた数の十以上の位の数をA,一の位の数をbとおく。
与えられた数は 10A+b と表される。
10A+b =10A+50b-49b=10(A+5b)-49b
-49b は7 で割り切れるから、与えられた数 10A+b
は
A+5b が7 で割り切れれば、10A+b も 7 で割り切れる。
同様に
10A+b=10A-20b+21b=10(A-2b)+21b
21bは7 で割り切れるから、与えられた数 10A+b
は
A-2b が7 で割り切れれば、10A+b も 7 で割り切れる。
新聞記事(1986年9月10日 毎日新聞
夕刊)・・・・斎藤
以前、勤めていた頃の授業ノートにスクラップしてあった記事を偶然見つけて
驚いた。まさに福島原発事故を予見するものだったからである。
あみだくじ
東名高速清水ICから車で15分の所にある船や清水港の歴史を紹介したフェルケール博物館があります。
ここに、仕事の仕分け等に使ったロープで作ったあみだくじ(左図)が展示してあります。
右図は売店で売っていたあみだくじ(300円)ですが、広げると右図のように1本1本のロープが阿弥陀如来の
後ろに放射線状に延びている後光のように見えることからあみだくじと名付けられたといわれています。