西三数学サークル通信130号-2
シンプソンのパラドックス・・・・・・・・・・・竹中
A高校とB高校が同じ学年の生徒に対して同じ模擬試験を受験した。その結果、
@ 男子生徒同士で比べるとA高校の平均点はB高校の平均点よりも10点高い。
A 女子生徒同士で比べるとA高校の平均点はB高校の平均点よりも10点高い。
ではA高校とB高校の平均点を男女全体で比較するとどちらが高いだろうか。
普通に考えれば、当然A高校のほうがB高校よりも10点平均点が高いと考えられる。
では、下の表で考えてみよう。
A高校 | B高校 | ||
男子生徒 | 得点の小計 | 3600 |
300 |
人数 | 90 |
10 |
|
平均点 | 40 |
30 |
|
女子生徒 | 得点の小計 | 600 |
4500 |
人数 | 10 |
90 |
|
平均点 | 60 |
50 |
|
女合計 | 得点の小計 | 4200 |
4800 |
人数 | 100 |
100 |
|
平均点 | 42 |
48 |
A高校の男女合わせた学年の平均点は42点、B高校の男女合わせた学年の平均点は48点となり、
B高校の平均点の方が高くなる。これをシンプソンのパラドックス(米国の統計学者E.H.シンプソンが
1951年に発表したパラドックス)という.
自然数列にひそむおもしろい和の計算・・・・・・・ 広田
自然数列には次の不思議な計算法則が成り立っています。空欄に自然数を1から順番に
入れていってみてください。
次に各段の先頭の数に注目すると 1 ,4 ,9 ,16 ,25
・・・となります。
さらに1番目の両辺を加えると6
次に 2番目の両辺を加えると 30 これは 6×(1+4)
となっています。
3番目の両辺を加えると 84 これも同様に 6×(1+4+9) となります。
もちろん4番目の両辺を加えても 180 同様に
6×(1+4+9+16)
となります。
この仕組みは自然数列に次のように群数列を作ることによって一般化ができ、面白い問題になります。
自然数列を第1群には3個 第2群は5個 第3群は7個・・・と 第 群には2n+1個の自然数が入るように群に分ける。 1) 第n群の先頭の項をnで表せ。 2) 第n群をさらに前半n+1個と後半n個にわける。このとき前半n+1個 の和と後半n個の和が等しいことを示せ。 3) 第n群に含まれる項の総和は となることを示せ。 |
【解答】